食料醸界新聞は、毎号、トレンドに合わせた特集・企画をしています。
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コメ流通(2023年11月20日号)
2年連続の相場高で幕開けしたコメ市場。ただ、値上がりの要因は従来と少し様子が違う。一つは、農業資材や燃料価格の高騰。もう一つは、記録的な猛暑の影響だ。気候変動がコメ市場に大きな影響を及ぼしており、今後、猛暑対策も重要な課題となりそう。一方、コメの販売状況については、ここまで堅調な推移。食品全般の原材料価格高騰の影響や節約志向が強まる中で、まだ、割安感のあるコメ食に回帰する動きがあるようだ。ただ「年明けを目途に追加の価格改定を検討している」という声も聞かれ、コメ市場は先行き不透明感が漂っている。
令和5年産米の新米商戦は、相場高での幕開けとなった。昨年も相場高だった事から2年連続となる。値上がりの要因だが、今年はこれまでと少し様子が(…)
令和5年産米の新米商戦は、相場高での幕開けとなった。昨年も相場高だった事から2年連続となる。値上がりの要因だが、今年はこれまでと少し様子が(…)
RTDコーヒー(2023年11月16日号)
RTDコーヒー市場は、昨秋のPET入りに続き今年5月にSOT缶を値上げしたことが響き数量ベースで前年を下回っている。金額ベースでは前年を上回っており収益改善に一定の成果があった。市場はユーザーの高年齢化が進み漸減傾向にあるが8000億円を超える巨大市場であり、停滞からの脱却には新規ユーザー開拓が欠かせない。既存ユーザーの維持とともに、カフェショップとの連携や、人気コンテンツとのコラボ企画など若年層や女性の新規ユーザー獲得に向けた取り組みも活発化している。
500ml前後のPETコーヒーは若年層から中高年層まで幅広いユーザーを持ち、RTDコーヒーの中でも成長しているカテゴリー。サントリー食品インタ(…)
500ml前後のPETコーヒーは若年層から中高年層まで幅広いユーザーを持ち、RTDコーヒーの中でも成長しているカテゴリー。サントリー食品インタ(…)
包装餅(2023年11月13日号)
包装餅の1〜8月の生産量は、3万8715t(前年比13.0%増)と2ケタ伸長を見せている。コロナ禍で内食需要やストック需要が高まり、餅の消費は増加。さらに、トライアルユーザーやリピーターに繋がるプラスの循環が出来たようで「餅を食べる消費者が増えたとしか考えられない」(包装餅メーカー関係者)という声も聞かれる。メーカー各社も需要喚起を図るべく、多彩な切り口の商品を投入してきた。そうした取り組みも市場拡大に繋がったと言えそうだ。もう一つ見逃せないのが、値上げ前の駆け込み需要。今年は、メーカー各社が値上げを相次いで発表。「その値上げ前の駆け込み需要もあったのではないか」という指摘もあり、値上げ後の動向に変化が出てくるのか注目されそうだ。
白みそ(2023年11月13日号)
これから最需要期に入る「白みそ」。関西や中四国では、正月の雑煮に白みそを使う事から、一年の中で最も需要が増加する。メーカー各社も、それを見越して生産体制を強化。準備を着々と進める。今年は、4年ぶりの行動制限が無い年末年始商戦となる。昨年までとは打って変わって、正常化となる訳だが、その間、市場環境も大きく変化しており、需要の予測が掴み難い状況となっている。量販店からは「帰省や国内旅行、さらに海外旅行の需要も回復傾向にある。これまでのように、自宅で過ごす消費者は減るだろう。そう考えると、需要は若干落ち込むのではないか」という声が聞かれ、内食需要の押し上げ効果が薄れ、年末年始商戦は若干落ち込むという予測が聞かれる。また、コストアップからメ(…)
本格焼酎(2023年11月9日号)
本格焼酎の1〜8月課税数量は、日本酒造組合中央会の概数で前年比93.1%の22万4386kl(約124万7000石)で推移する。昨秋から今年にかけての値上げや、サツマイモ基腐病の影響による芋焼酎の出荷調整など、市場はイレギュラーな環境。相対的に値上げの影響は大容量商品に強く出ており、価格軸の競争は厳しさを増している。本格焼酎の品質価値訴求がより求められるところだ。基腐病対策は健全な苗の供給に新たな取り組みや、多収で抵抗性のある新品種「みちしずく」の作付けも増えつつあるが、まだまだこれからの生産支援が重要。消費喚起では、炭酸割りなどの飲み方提案や香り系焼酎の訴求強化を進め、若年層中心に新たな飲酒層の開拓に重点。業務用市場はアフター・コロナでの回復(…)
歳暮ギフト(2023年11月6日号)
関東地区百貨店 コロナ禍が無くなり人の移動が活発化。店頭ではカウンターの仕切りを取り外すなど、コロナ対策もひと段落。今年はこだわりのプチ贅沢ギフトや、大勢で楽しめるグルメとして身体も心も温まる「鍋料理」などに各社力を注ぐ。売り上げトップのスイーツは、お歳暮以外にもクリスマスや自宅用商品のラインナップが拡大。各百貨店限定の商品として予約困難な名店や、バイヤー厳選のアイテムを取り揃えている。また、カジュアルギフトも注目され、話題性やトレンド性のあるギフト、カタログギフトをより手軽に贈ることができるカードタイプも導入。コロナ禍で進んだ自宅用以外にもクリスマスや正月にも楽しめる商品で、特に若年層へのアピール強化を目指す。
チェーンストア(2023年10月30日号)
物価が上昇し続けるなか消費の動向をみると、家計調査による8月度の消費支出は名目では前年同月比1.1%の増加となっているものの、実質では2.5%減少した。名目では支出は伸びているが実質では縮小という結果から、消費マインドをどのように読み解くのか、見方が分かれるところだ。一方で、有力チェーンストアにとって、インフレによる商品価格の上昇は追い風になっていて、その効果が業績にもあらわれている。ただ、コロナの中で消費者のライフスタイルは大きく変化したと考えられる。その変化をどのように捉え、対応していくのかが課題となっている。
直近の変化の一つに長期低迷が続いていた水産部門の回復がある。(…)
直近の変化の一つに長期低迷が続いていた水産部門の回復がある。(…)
清酒(2023年10月26日号)
清酒は、消費動向に変化の大きい市場環境で、ブランド力の向上に改めて取り組む動きが広がってきた。9月実績は、昨年10月の値上げ仮需の裏返しで大幅な減少となり、10月は酒税改正で清酒は減税対象だが、コスト上昇が続いていることから、家庭用主体の大容量パック等は減税分を吸収した実質値上げや、さらに業務用中心の1.8L瓶等はコストオンの値上げ対応が多くみられ、仮需は発生していない状況。業務用はアフター・コロナで回復基調にあるが、一巡してペースは鈍化傾向。夏場の酷暑や厳しい残暑の影響も大きかった。こういった状況下で迎える年末商戦、活発な人流を背景に、ハレの日需要や業務用の動きに期待。新たな需要層の開拓を含め、ブランドの認知を高めることは欠かせない。
マーガリン・スプレッド(2023年10月23日号)
昨年から今年にかけ、値上げが交錯するバター・マーガリン売り場。マーガリンは昨年2度の値上げがあったのに対し、バターは今年4月、さらに年末需要期の12月価格改定の発表が続く。食パン消費と関連性の強いマーガリン類は、値上げの影響を受けながらも、23年度上期は金額で105%と拡大、バターも4月値上げによる影響は想定より軽微で金額105%と伸長。消費の選択志向が強まる中で、有力メーカーの現況、下期の取り組みをまとめた。
家庭用マーガリン類は、原料価格高騰により昨年春と秋の2度にわたって値上げを余儀なくされ、新値の実勢化が比較的スムーズに進み、2023年度上期(4〜9月)市場は、販売ベースで金額前年比105%、物量93%程度と、(…)
家庭用マーガリン類は、原料価格高騰により昨年春と秋の2度にわたって値上げを余儀なくされ、新値の実勢化が比較的スムーズに進み、2023年度上期(4〜9月)市場は、販売ベースで金額前年比105%、物量93%程度と、(…)
鏡餅(2023年10月19日号)
鏡餅市場は約100億円ほどと推定される。今年は、全国餅工業協同組合・日本鏡餅組合・全国包装鏡餅協議会の3団体が共同記者会見を開き「鏡餅の取り決めとして、10月末日を受注締日として設定」した事を発表した。背景にあるのは、需要に応じた生産体制の最適化を図る事で、伝統文化を継承し、商品供給の継続と環境負荷の軽減を目指すのが要因だ。また「今年は、受注締日の他に価格改定もある。そうした意味では、鏡餅元年と言える。今年を基点に、鏡餅の魅力を改めて訴求していきたい」という声も聞かれ、鏡餅市場にとって、今年は大きなターニングポイントとなりそうだ。
「今年は、鏡餅の取り決めとして、10月末日を受注締日として設定(…)
「今年は、鏡餅の取り決めとして、10月末日を受注締日として設定(…)
ワイン(2023年10月16日号)
ワイン市場は、新型コロナの制限が無くなり、飲食店やホテルなど業務用の中高価格帯のワインが好調に推移。特にシャンパーニュは、輸送や生産調整による品薄だった昨年と異なり、安定した供給によって各社ともに売り上げを伸ばした。家庭用商品は低価格帯を中心に苦戦したが、中高価格帯の商品は家庭用でも需要が高まっており、特に需要期を迎えるスパークリングワインの訴求を強化する。解禁日が近づくボジョレー・ヌーヴォーは、昨年の高騰から今年は値下げを発表。日本ワインもワイナリーツアーが本格的に再開され、観光業の復活とともに認知拡大を強化。10月以降の需要期をどのように乗り切っていくか、低迷するワイン市場活性化へ期待が高まる。
ふりかけ・お茶漬けの素(2023年10月12日号)
あらゆる商品・サービスの値上げが続いているため、節約志向は強まる一方だが、ふりかけ市場は価格改定しても相対的に割安感があるため、23年度は2ケタ伸長している。米回帰の流れや中高生だけでなく、大人の弁当需要拡大も追い風になっている。“新食感”を前面に打ち出したふりかけが大好評で、期待が大きい新領域。お茶漬けの素はコロナ禍以降、順調に推移しており、永谷園の「めざまし茶づけ」活動による間口拡大と新規層の高いリピート率により安定した成長軌道を描いている。
コロナ禍初年度(20年度)の当初は、学校の春休みを前に臨時休校になったことで、一時的ではあるがスーパーの店頭からコメが消え、食品類の買いだ(…)
コロナ禍初年度(20年度)の当初は、学校の春休みを前に臨時休校になったことで、一時的ではあるがスーパーの店頭からコメが消え、食品類の買いだ(…)
スープ(2023年10月12日号)
1000億円超規模(消費者購入ベース)の家庭用スープ市場は物価高騰による節約志向が強まる中で、1食当たりの単価はまだ値頃感もあり、新規の流入層が多いカテゴリー。味の素社はボリュームの大きな洋風ワンサーブスープ「クノール カップスープ」に野菜素材として14年ぶりの新品種〈豆のポタージュ〉を加えプロモーション活動を活発化する。スナックスープはオケージョンが拡大、「チン」するだけの具入り個食レトルトスープが急成長、今後の成長領域になりそうだ。昨年登場して注目度が高かったオートミールスープは今シーズンが正念場となる。
洋風ワンサーブは味の素社「カップスープ」が既存主力3品種と新商品、(…)
洋風ワンサーブは味の素社「カップスープ」が既存主力3品種と新商品、(…)
育児関連(2023年10月5日号)
育児用ミルク市場は4〜8月で物量ベース微増となっており、出生数が4〜5%減少し、昨秋から2回の値上げ実施にもかかわらず需要は順調に推移し、金額ベースでは2ケタ近い伸びをみせる。外出機会の増加や男性の育児参加の拡大により利用者、利用場面とも広がっている。とはいえ今後も出生数の減少が続くことが予想され、いずれ消費量の減少は避けられない。メーカーでは高付加価値商品の展開に注力している。
育粉市場は、多くのメーカーが昨年10〜11月と、今年6月以降にそれぞれ5〜7%ほど値上げし、大缶の特売価格は以前の2000円弱から直近では300〜400円程度上昇した。さらに出生数が昨年に続き今年1〜7月も前年同期比で5(…)
育粉市場は、多くのメーカーが昨年10〜11月と、今年6月以降にそれぞれ5〜7%ほど値上げし、大缶の特売価格は以前の2000円弱から直近では300〜400円程度上昇した。さらに出生数が昨年に続き今年1〜7月も前年同期比で5(…)
家庭用プレミックス(2023年10月5日号)
家庭用プレミックスは、2021年9月から4回の値上げを実施、現在に至る。市場は、金額ベースでは値上げが寄与するカテゴリーもあるが、全般的に物量では苦戦している。さらなる内食喚起が課題だ。即ち無糖系のお好み焼粉・揚げ物用粉や、加糖系のホットケーキミックスなどでの手作り料理を強力にプッシュする必要がある。秋需向け商品施策は大手製粉系中心に本格・簡便などの要素を強化、エンジョイなどトレンディーなファクターも追加。お好み焼系や揚げ物系では、日清製粉ウェルナ、日本製粉、昭和産業、お好みフーズなどが、インストアでの生鮮連動クロスマーチャンダイジング。旬の食材を使うメニュー提案型の販促が活発化する。中でも、お好み焼は改めてヘルシー性が見直されてい(…)
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