食料醸界新聞は、毎号、トレンドに合わせた特集・企画をしています。
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みそ(2011年3月31日号)
みそ業界は長期化する消費後退からの脱出をテーマに春需期を迎えた。ところが市場環境は未曾有の規模の大地震というまったくの想定外の事態に直面し、みそに限らず食品トータル、さらには国家規模による東北地区を中心とする生活基盤の建て直し状況に迫られた。こうしたなかで今年のみそ市場がどのように進展していくのか、まずは地震と被災地、そして電力消費との関連、さらには原発事故による放射能放出問題などを抜きにしては考えられない。同時にそれ以前にデフレ不況が払拭しきれない環境で原料大豆の高騰というコストアップ要因に迫られており、こうしたなかで折から消費後退の歯止め策をはたして打ち出していけるのかどうか、当面は我慢と試練のなかでの市場展開になりそうだ。(…)
ヨーグルト(2011年3月28日号)
東日本大震災により、牛乳類・ヨーグルトなどを生産する関東地区市乳工場に大きな影響が出ている。地震による損壊、原資材の調達難に計画停電が加わり、製造ラインの連続運転が不可欠なヨーグルト生産は極めて困難な状況にある。先週の連休明けから乳業大手の市乳工場では牛乳類の生産を再開したケースもあるが、ヨーグルトについては計画停電の厚い壁が立ちはだかったままだ。さらに原発問題が波及し、サプライチェーン修復への道は険しさを増している。
大震災の翌週、関東のあるチルド卸経営者は乳業企業からの牛乳供給状況について、普段の1割程度に過ぎず、それも割り当て制、お手上げ状態にあると憮然とした表情だった。「ガソリン不足でとにかく(メーカーの)車が来ない。大型車がないので(…)
大震災の翌週、関東のあるチルド卸経営者は乳業企業からの牛乳供給状況について、普段の1割程度に過ぎず、それも割り当て制、お手上げ状態にあると憮然とした表情だった。「ガソリン不足でとにかく(メーカーの)車が来ない。大型車がないので(…)
CVS(2011年3月24日号)
コンビニエンスストア業界は主要各社とも若年層主体から主婦層や高齢者を取り込む商品戦略の強化に大きく舵を切っている。少量パックの生鮮やLL(ロングライフ)スタンドパウチ入り総菜などの品揃えを充実、さらにカウンターFFでは夕食のおかずや酒のつまみになる商材を拡充している。粗利益率の高いセルフコーヒーの導入店拡大、コンビニスイーツは開発競争も加熱している。
上場コンビニの11年2月期業績は、上方修正した企業が多い。タバコ増税後の販売回復が早かったことや、中食が改善、カウンターFFの好調、オリジナルデザートは継続して伸長しておりセブン‐イレブンやローソン、ミニストップなどは既存店売上高が前年実績を上回ったもよう。セブン‐イレブンはLLパウチ入り総菜など、地域密着型MDの(…)
上場コンビニの11年2月期業績は、上方修正した企業が多い。タバコ増税後の販売回復が早かったことや、中食が改善、カウンターFFの好調、オリジナルデザートは継続して伸長しておりセブン‐イレブンやローソン、ミニストップなどは既存店売上高が前年実績を上回ったもよう。セブン‐イレブンはLLパウチ入り総菜など、地域密着型MDの(…)
低温食品(2011年3月21日号)
冷凍食品の家庭用市場は10年上期(4〜9月)が1%増、5月と猛暑により7〜8月が減少したが、残る3カ月は4〜5%の伸び率。下期に入り10〜1月は7%増、各社の新商品が好調だったほか、主要メーカーがテレビ番組で紹介され、販売も好調に推移している。今春も引き続き健康志向や新機軸、新しい食べ方を提案した新商品により、需要の拡大を目指していた。原材料の値上がりが今年最大の課題となっていたが、東日本大震災が発生、工場被害に加え、操業再開後も原資材の調達と商品供給に支障が出ている。
家庭用はボリュームの大きな弁当用は需要が底堅く、ギョーザをはじめフライ類、ハンバーグ、丼の具など食卓向け総菜類が好調、スナック類も好調が続く麺類だけでなく、米飯が回復している。冷凍野菜は生鮮野菜の高騰が続いたことで(…)
家庭用はボリュームの大きな弁当用は需要が底堅く、ギョーザをはじめフライ類、ハンバーグ、丼の具など食卓向け総菜類が好調、スナック類も好調が続く麺類だけでなく、米飯が回復している。冷凍野菜は生鮮野菜の高騰が続いたことで(…)
コーヒー・紅茶(2011年3月17日号)
10年のコーヒー総輸入量は約44万5000トン弱(生豆換算)、前年比4・5%増で過去3番目の高水準だ。しかし相場高騰が好調な国内消費に水を差すか。今年に入り相場が1年前の2倍にまで高騰し、メーカー各社は3月から値上げに取り組んでいる。一時的に消費量は後退を余儀なくされるが、新たな価値を持つ商品や、値上げ対象外の1杯抽出型レギュラーコーヒー、コーヒーミックス、ボトルコーヒーを中心に夏に向けアイス飲用を訴求し、需要喚起を図る。紅茶は茶葉輸入量が10年1万9757トン、13・6%増。過去最高の97年1万9783トンにほぼ並ぶ水準。この数年、紅茶ドリンクとインスタントティーミックスがけん引しており、今年は初の輸入量2万トン台を展望する。
コーヒー業界は、家庭用のレギュラーコーヒー、インスタントコーヒー大手が(…)
コーヒー業界は、家庭用のレギュラーコーヒー、インスタントコーヒー大手が(…)
乾物・乾麺(2011年3月10日号)
乾麺は季節商材の最たるものゆえ、天候が動きを大きく左右する。昨年は低気温で前半低調推移だったが、梅雨明け後の猛暑で盛り返した。今年も天候が左右することに変わりないが、天候頼みにも限界がある。メニュー提案や通年訴求など、食の機会増の提案が重要だ。また、今年は原料高騰による値上げ問題が横たわる。対応が注目されるところ。
10年の乾麺商戦は低気温が響き4〜6月は10〜20%減の推移。業界ではあきらめムードが漂っていたが、梅雨明けの7月中旬以降は打って変わっての猛暑日が続き、プラスに転じた。7〜8月期間だけで見ると大半が2ケタ増、しかも、9月も残暑で伸びた。ただ、前半の落ち込みが大きく、通期で見ると、よくて2〜4%増(…)
10年の乾麺商戦は低気温が響き4〜6月は10〜20%減の推移。業界ではあきらめムードが漂っていたが、梅雨明けの7月中旬以降は打って変わっての猛暑日が続き、プラスに転じた。7〜8月期間だけで見ると大半が2ケタ増、しかも、9月も残暑で伸びた。ただ、前半の落ち込みが大きく、通期で見ると、よくて2〜4%増(…)
マヨネーズ・ドレッシング(2011年3月7日号)
2010年、家庭用ドレッシングは概ね前年水準を維持したが、マヨネーズは値下げ以降、販促がレギュラーサイズに戻り、単価が下落、前年を下回った。量的拡大が大きく望めないだけに、「おいしさ」はもちろんだが、健康志向への対応、簡便性の追求、さらには新しいライフスタイルの提案など、ブランド間の競争はハイレベルかつスピードを加速。商品開発から流通・消費者への取り組みも見られ、春のマヨドレ商戦は華やかなスタートを切った。
2010年の家庭用マヨネーズ市場は、消費者購入ベースで5〜6%減少、数量ベースでは微減に終わったもよう。原料油高騰により07、08年の2度にわたって値上げを余儀なくされ量的減少が続いたが(…)
2010年の家庭用マヨネーズ市場は、消費者購入ベースで5〜6%減少、数量ベースでは微減に終わったもよう。原料油高騰により07、08年の2度にわたって値上げを余儀なくされ量的減少が続いたが(…)
だしの素(2011年3月3日号)
だしの素市場は、総スケールとして実績確保にはやや届かないものの、堅実な動きが注目されている。昨年は周知の通り、7、8月の猛暑、さらに9月の残暑という強い逆風下で需要後退が顕著に出たが、11、12月にかけて巻き返し、今年になって2月までほぼ前年並みの堅調な推移を見せている。4〜3月ベースでは昨年までの前年比で96〜97%が1、2ポイントほど押し上げて98〜99%の着地が見込まれている。引き続き内食化の流れが基調にあるのが消費促進をアシストしている一方、本来の経済性、使いやすさといったところが受け入れられ、顆粒・粉末調味料としての真骨頂を発揮している。価格訴求の場面は変わらず多いものの、数年前までの極端な目玉訴求の場面は減ってきており、今年の成長性はこの春商戦の成果如何という状況にある。(…)
清涼飲料(2011年2月28日号)
清涼飲料市場の見通しは、08年、09年とマイナスが続き、昨年の猛暑を考慮すると、今年は98%前後という厳しい見方が支配的だ。その中でメーカー各社は目標を前年並み以上に置く。目標達成には前半戦1〜6月でどれだけ貯金できるかが焦点で、好スタートを狙った結果、1月の飲料市場は105%前後の好発進をみせた。
販売量が伸びない中でいかに利益を確保するか、収益基盤の確立が引き続き課題となる。前半戦で計画を下回る進捗のメーカーが、無理に数量を稼ぎにくるようなら、乱売に巻き込まれかねないと懸念される。一方で原料・資材コストの上昇もマイナス材料。砂糖やコーヒー豆が高騰し、飼料価格から国際的な乳原料市況も上昇気配にある。また原油や資源価格の高値は包装資材にも影響し、大手どころで20億円前後(…)
販売量が伸びない中でいかに利益を確保するか、収益基盤の確立が引き続き課題となる。前半戦で計画を下回る進捗のメーカーが、無理に数量を稼ぎにくるようなら、乱売に巻き込まれかねないと懸念される。一方で原料・資材コストの上昇もマイナス材料。砂糖やコーヒー豆が高騰し、飼料価格から国際的な乳原料市況も上昇気配にある。また原油や資源価格の高値は包装資材にも影響し、大手どころで20億円前後(…)
ワイン(2011年2月24日号)
11年のワイン市場は円高が続いて、景気も大崩れがなければかなりの活性化が期待できそうだ。10年のワイン市場で特徴的だったのは、円高を背景に輸入ワインの低価格化が一段と進む一方で、国産ブドウ100%使用の国産ワインの直面している様々な課題に対する様々な取り組みが示し合わせたかのように成果を出し始めた。
ワイン市場の活性化へ向けて、輸入の低価格ワインで市場の裾野が広がること以上に、日本ワインの様々な取り組みが消費者とワインの距離を近くしており、何らかのトレンドとして今年あたりあらわれてくるのではという期待を抱いている向きは少なくないだろう。 日の目を浴びた取り組み成果の好例としては、昨年5月に日本固有のブドウ品種「甲州種」がOIV(葡萄・ワイン国際機構、本部・パリ)で(…)
ワイン市場の活性化へ向けて、輸入の低価格ワインで市場の裾野が広がること以上に、日本ワインの様々な取り組みが消費者とワインの距離を近くしており、何らかのトレンドとして今年あたりあらわれてくるのではという期待を抱いている向きは少なくないだろう。 日の目を浴びた取り組み成果の好例としては、昨年5月に日本固有のブドウ品種「甲州種」がOIV(葡萄・ワイン国際機構、本部・パリ)で(…)
本格焼酎(2011年2月21日号)
本格焼酎は昨年で3年連続の実績割れとなったが、消費を活性化させ、減退基調に歯止めをかける取り組みが注目される。3月12日に全線開通する九州新幹線は好材料であり、記念商品や物産展などでPR合戦の盛り上がりに期待したい。一方で、鳥インフルエンザや新燃岳の噴火と予期せぬ心配材料も発生。現時点では影響はとくにない(メーカー)とのことである。業界としては甲乙混和焼酎との誤認解消へ取り組みを強化、産地情報の表示が7月に施行される米トレサ法への対応を進める。
10年1〜12月の本格焼酎課税数量は、日本酒造組合中央会まとめ(国税庁の1〜10月確数と中央会の11〜12月概数合計)で、前年の国税庁確数との対比が6・0%減の50万3114キロリットル(約279万5000石)(…)
10年1〜12月の本格焼酎課税数量は、日本酒造組合中央会まとめ(国税庁の1〜10月確数と中央会の11〜12月概数合計)で、前年の国税庁確数との対比が6・0%減の50万3114キロリットル(約279万5000石)(…)
即席麺(2011年2月17日号)
即席麺市場は小麦粉をはじめ食用油、具材に使用する原材料、容器など資材の値上がりへの対応が今年最大の課題となる。10年(1〜12月)は猛暑、厳しい残暑という逆風に中でJAS受検数量(ドライタイプ)は2・6%増と前年実績を上回った。NBの復活が顕著で、PBやオープン価格商品は大きく後退した。カップ麺では麺を中心とした技術革新や新コンセプト、話題性、新容器で活性化。袋麺でも既存主力品の刷新などにより消費を喚起した。今年も技術革新を伴った新商品と既存主力品の刷新、新カテゴリー創造が需要開拓の要。 小麦の政府売渡価格が4月には10〜15%上がると予測されており、製粉会社からの小麦粉販売価格も1カ月後には値上げされる見通し。08年の17年ぶり値上げでは1月25・5%減(JAS受検)、2月14・7%減、3月16・5%減と影響が長引き(…)
めんつゆ(2011年2月14日号)
めんつゆ商戦が水面下で次第に熱を帯びてきている。昨シーズンは猛暑のアシストがあったものの、水銀柱が急上昇したのは梅雨明けの7月10日前後あたりということで前半の需要期での恩恵は薄く、シーズン通してみるとほぼ前年並みから若干ダウンの着地という、やや不本意な結果に終わった。それだけに今シーズンは有力各社とも序盤の勢いづけを重要視しており、まずは、5、6月のトライアル商戦での活性化に集中してくる様相だ。今年は目立った新商品は見られず、全般にリニューアル中心。一部で小容量タイプの強化やぽん酢でジュレ仕様の商品などが登場してきたのが目立つ程度であり、これからトライアル商戦までの2〜3カ月の取り組みが興味深い。めんつゆ商戦は、本番へ向けての売り場確保を巡り、年明けからこの2月にかけてじわりじわりと(…)
韓国焼酎(2011年2月10日号)
韓国焼酎は焼酎総市場の中で甲類、乙類とも違った独自のポジションを確立している。数年前から減少予測が続いているが、結果的にはほぼ前年並みの実績を維持。焼肉店や韓国料理店など関連性の高い飲食店をホームグラウンドとして強力なブランド認知を持っており、一定の売り上げ確保が期待できる強みがある。印象の強さから、飲食店での連動だけでなく、最近は家庭内でもチゲ鍋など韓国料理が人気で、スーパーなどでの関連販売など採用チャンスは多い。景気低迷のなか韓国焼酎は経済性イメージも強くあり、上昇に転じる可能性は高い。市場規模は900万ケース(700ミリリットル×12本)弱。04年に輸入量で997万ケースに達したのをピークとして連続成長記録はストップ。直後から減少に転じたが、ここ3年はほぼ(…)
新日本SM協会(2011年2月7日号)
協会の合併、新名称への移行と新日本スーパーマーケット協会は、大きな飛躍を遂げてきた。日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会と連携し、スーパーマーケットの販売統計をスタート。国や地方との結びつきも、より強固なものとなった。そしてこうした協会活動の一つひとつが、スーパーマーケット業界の新たな扉を開いてきた。その集大成ともいえるのが8日から10日まで都内の東京ビックサイトで開催される「第45回スーパーマーケット・トレードショー2011」(SMTS)だ。その会場で紹介されるのは、地域の伝統と文化を背景に生産者が心を込めて生み出した産品から、最新のデジタルサイネージ機器まで幅広い。そしてそうした多様な展示が複雑に結びつき、その先にはスーパーマーケットの未来が見えてくる。(…)
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